本作は「倫理」を題材とした小説風の教科書といったところだろうか。軍事国家となり言論の制限が始まっていた当時、少年少女に送る本として出版された。
誹謗中傷の多い世の中で、読んでほしい一冊。日々の流れの中で忘れてしまっていた、人間としてこうあるべきということが一つは見つかるのではないだろうか。
自分なんてと卑屈になってはいけない。一つ判断するときには、これだという生きた意思を貫くのだ。
【以下余談】
本作は理性が主な話なのだが、個人的には本能的な部分に、生きる中で大切にしなくてはならないことがあるのではないかと思う。(「ザリガニの鳴くところ」は本当によかった。)今後どう考えが変わるかな。